俺があいつを見返す日。

ある一言をきっかけに、ある人物を見返すきっかけとして立ち上げました。日々のことから夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも掲載します。

桃太郎は日本一ではなかった話。

以前、会社の後輩と『桃太郎』の話になったことがある。

話を振ったのはわたしで、要約すれば以下のような内容のことを言った。

・桃太郎という昔話を知っているか?

・ただ『桃から生まれた』という出自なだけでなんの実績もない若者が、よくもまぁ鬼退治などを決心したものだ。

・しかも自信満々に『日本一』という旗まで指して行脚するなど。あれが『若さ』というのかね。

 

それ対し、わたしより7歳くらい年下の後輩が言うには、

・あれは桃太郎が日本一なのではない。桃太郎のおばあさんが作り持たせた『きびだんご』が日本一なのだ

 

えっ? そうだったの?

なるほど。たしかにそうかも知れない。

ならばきっと桃太郎のおばあさんはこう考えたのだろう。

「桃太郎はアタシら老夫婦がやっと神様から授かり給うた子。できればずっと手元に置いていつまでも一緒に暮らしたい。絶対に失いたくないのじゃ。のうじぃさん。しかしあの子は鬼退治に行くのをやめないじゃろうて。たとえ自分の命を落とすことになろうともの。ならばそこまで決心の固いあの子に、このババアは何をしてやれる?何ができると言うんじゃじぃさん。

そうだきびだんごじゃ。きびだんごを作って持たせれば、道中で出会う人々がきびだんご欲しさにあの子の仲間になってくれるかもしれん。そうすればもしかしたら命を落とすことなく帰ってこられるかも知れん。

しかし待てや。アタシの作るきびだんごにそこまでの魅力はないじゃろうて。じゃろうじいさん。

そうじゃ旗指物じゃ。『日本一』の旗指物を掲げたきびだんごなら、きっと多くの人たちが釣られて来る。その中に食いっぱぐれた屈強な荒武者などがいて、その上仲間になってくれたら言うことはない。そうじゃそうしよう」

 

ババァなかなかの策士だったようだ。

しかし悲しいことにババァの思惑通りとはいかなかった。屈強な荒武者どころか、仲間になったのは、イヌ、サル、キジの畜生だけだった。

当たり前だと思う。たとえ勝手に『日本一』の旗指物を指したところで、どこの誰が作ったものなのか分かりもしないきびだんごなどに人が群がるわけがない。

それに桃太郎は老夫婦に甘やかされまくって育った勘違い野郎である可能性が高いので、きっと自意識過剰で自己顕示欲も強いであろう。「鬼を退治するぞぅー鬼を退治するぞぅー」とふれ回りながら歩いたに違いない。わたしなら絶対に近づかない。それどころか今の世なら立派な通報事案にさえなってしまうだろう。畜生たちだけでも仲間になってくれたこと自体が奇跡と思うべきだ。

 

その後は皆さんご存知の通り、桃太郎は仲間と鬼ヶ島に渡り、みごと鬼退治に成功した。畜生どもが思いの外強かったのか、桃太郎が千人力だったのか、鬼が拍子抜けするほど弱かったのか。

いずれにしても、後輩のその一言をきっかけに、わたしにとって桃太郎は『日本一』ではなくなってしまった。人はなんと簡単に心変わりするものよ。

しかしその後輩は、私の長年の桃太郎像をぶち壊すだけでは飽き足らず、さらなる爆弾発言をくりだしてきた。

 

なに? 浦島太郎もなのか!?