俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

飾れなかった有終の美。

わたしの人生において一つの歴史に幕が下りました。

いつも通勤時に利用させてもらっていたコンビニが、本日の午後を以って閉店となってしまったのです。従って今日の朝が最後のお買い物でした。まことに寂しい限りです。

たかがコンビニと言ってしまえばそれまでなのですが、15年間も通い続けていれば愛着の一つも湧くというもの。

だからわたしにとって最後である今日の朝は、どんなことがあっても立ち寄ろうと決心していたのでございます。

 

いつも通りにおにぎりやパンを手に取ってですね。レジに向かうわけです。

レジには今まで長いあいだ応対してくれた、20代後半くらいの女性店員さんが待っていますよ。

カゴの中の商品を精算してもらいながら、わたしは思い出したようにレジの後ろにある贈答用のクッキーを一つ注文するのです。

そして購入代金を支払った後、わたしは店員さんに言います。

「今までありがとう。これからもがんばってね」

先ほど購入した贈答用のクッキーを渡し「どうぞ皆さんで食べて」

そう言い残してレジを去るのです。後ろは決して振り返りません。野暮になりますからね。

 

と、このようなことをですね。閉店すると知った刹那に思い付くような妄想族なわたしなのですが、到底出来るわけがありませんね。なにせわたしは観月ありささんも呆れるほどのシャイボーイですから。

まぁでも。その妄想を現実のものとする可能性は最後の最後まで捨てませんでした。チャンスがあれば或いは、そう胸に野望を抱きながら最後の入店を果たしたわけなのですが……。

 

なーんもねぇんでゲスよこれが。雑誌も日用品も何もない。あるのは限られた種類のおにぎりとパン、そしてわずかな飲料のみ。

そんな状況だからか、いつもは必ず数人のお客さんがいるのに誰もいない。店員さんキョトンとしちゃってんの。あれ?なに来たの?くらいな塩対応ですよ。

何にもない店内にわたし独り。注がれる店員さんの視線。

わたし見られていると買い物ができないタチなので、もう震える手で適当におにぎりとパンを掴んでレジに直行しましたよ。

しかも今日に限って妄想の中に出てきた20代後半の女性店員さんではなく、遭遇率の低いレアなおばさま店員さん。

脳内に流れてきたのはもちろん松任谷由実さんの『DESTINY』。気分はまるで季節外れの海岸物語。どうして今日に限って安いサンダルを履いていたのか。あぁすいません。別におばさま店員さんを安いサンダルに例えているわけではありませんよ。状況。あくまで状況の話です。

 

ただね、最後の日ですから。ここで尻込みしてはこの15年間が無駄になる気がしたんです。

だからここは勇気を出して、今こそあの妄想を現実のものにするべくわたし意を決したんですけどね。ねえっつーの贈答用のクッキーなんてよ。当たり前だよ雑誌や日用品すら撤収されてんのに贈答用のクッキーなんてあってたまるか。もうムチャクチャだよ。

あとわたしにできることはなんだっけ?

あ、そうだお礼。お礼を言おう。今までの感謝の意を表そう。

私「いままでありがとうございました」

店「・・・・・・」

聞こえてねえんだなこれがシニアだから耳遠いのかぁーまいった。それなりの音量で言ったんだけどなぁー二度は言わねぇ二度は言えねぇよ。

 

なんともやるせない気持ちで店を後にしたことは言うまでもありませんね。有終の美ってなかなか飾れないんですね。

だいたいだね。今日の午後に閉店というなら、今日の午前中は通常通りの品揃えで何事もないように普通に営業をしなさいよ。

 

とにかく明日からですよ。

明日からあのT字路を、あなたは右に、わたしは左に歩いて行くんですね。

わたしの想いは真実だけれど、もう会うことは無いでしょう。残念ながらこれが本当のさよならです。

グッド・バイ・マイ・ラブ。15年間本当にありがとう。さよならアン・ルイス

もう途中でお腹痛くなってもトイレ借りられないんだなぁ。どうしよう漏らしちゃうよ。