ものごっつうくだらなき映画ぞ。語弊はない。パンティを被って変身するヒーローが主人公の映画に対して、くだらない以外の言葉で評せるほどの語彙も文章力もない。
新品ではなく使用済みのパンティじゃなきゃ変身できない。しかもパンティの内側が顔側に当たるように被らないと変態パワーを発揮できない。さらに自分の履いているパンツの両端をぐいーっと持ち上げ交差させて首に引っ掛けた極度のハイレグ状態の白いパンツがコスチュームだと。未だかつてこんなにもくだらないヒーローなんていただろうか。もちろんけっこう仮面を除いてだ。
制作サイドだって、まさかこの映画から何かを得て欲しい、学んで欲しいと願ってはいないだろうし、実際わたしはこの映画から何も得てはいない。
ただ、救われはした。わたしは厄介な性格で、過去のことをいつまでも引きずってあーでもないこーでもないと考えてしまうところがある。この映画を観た時も、頭の中がその類の事でいっぱいになってしまい、叫び出したいようなどうにもならない事態に陥ってしまった時だった。
そんな状況で、変態だパンティだおいなりさんだとやられれば、そりゃいい感じに脱力もしようというもの。しかも維新三傑の一人に数えられる西郷どんが変態仮面の正体なんだから、そのギャップがエモい。エグい? とにかくたまらない。
こういうくだらない映画は絶対に必要。得るものなどなくても必ずどこかの誰かを救っているはず。そもそもわたしは映画を観て何かを得ないといけないとは思っていない。
どうか今後もこのような映画を作り続けてほしいと思っていたら、どうやら加入している動画サービスで本作の続編が観られるようになっていたのでさっそく今宵にでも観てみようか。