俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

わたしが本当の意味で老いる時。

 一昨日、あんかけかた焼きそばの麺が喉につかえた。とても痛くて不安になった。こんな事は生まれて初めてだ。かた焼きそばが喉に引っかかるなんて。

 昨日、生ハムのスジが喉に引っかかった。生ハムなんて普段はあまり食べないのに。娘たちが一枚だけ残したやつをたまたま、本当にたまたま食べただけなのに。

 お年寄りが食べ物を喉に詰まらせてしまうニュースを目にしても、正直いままではピンときていなかった。でも分かった。ピンときた。

 今日の朝。自分のあごのヒゲに白いものが混じっているのを初めて見つけた。


 老いた。そう感じさせられることが増えてきた。老いは少しずつ、だが確実にわたしに忍び寄ってきている。例えば我が子や周囲の子どもたちの成長。例えば親類縁者や知人、著名人の死。時の移ろいを思い知らされ、相対的に自分の老いを感じさせられてしまう。

 

 例えば自身の体の変調。朝起きる時にカラダが重いとか、おしっこに勢いが無いとかキレが悪いとか、お昼休みに眠くなっちゃうとか、何にもないところでつまづくとか、寝不足の疲れがてきめんに抜けないとか、お酒が弱くなったとか、手がしびれるとか、肩が凝るとか上がらないとか、腰を痛める率が高くなったとか、全速力で走るとケツとモモがつるとか、揚げ物の衣に恐怖して剥いてしまうとか、頭髪の毛量の減少が著しいとか。


 特にここ最近の毛量の減少は本当に看過できない。ここ数年の兆候から、どうやらわたしは前頭部から禿げ上がってゆくタイプと確信した。鏡に映った我が前頭部の毛量の乏しさに絶望し、一人東急ストアのトイレで数分間におよび立ち尽くしてしまった。鏡の前でナンダヨマジカヨフザケンナヨと、何度も何度も呪文のように繰り返しつぶやくわたしに目を丸くして恐怖の眼差しを向けながら急ぎ排尿をしていたあの時の少年よ。怖がらせてしまって済まなかったね。人間40年以上も生きると色々なことがあるのだよ。


 今はまだ暑いからね。わたしのこの前頭部の心もとなさはきっと夏毛なんだ。冬になったらもっと太くて頼もしい毛がフサフサと生えてくるんだと自分に言い聞かせて何とか正気を保っている。

 でもわたしはもう覚悟し、そして準備しておかなければならない段階に来ているのかもしれない。近い将来に必ず訪れる、自他ともに認めざるを得ないレベルで禿げる日のために。

 わたしが本当の意味で老いる時。それは禿げた時。