俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

わたしが中森明菜さんの『セカンド・ラブ』を名曲中の名曲だと思う理由。

 歌はいいね。歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ。そう感じないか。碇シンジ君。

新世紀エヴァンゲリオン 第二十四話 『最後のシ者』より)


 それはともかく。わたしもリリンってのは何だかよく分からないが、歌はいいねという渚カヲル君の言葉には同意せざるを得まい。これまで45年間を生きてきた中で「む。これはっ」という歌に何度出会ってきたことか。いや何度かは分からない。そんなものはイチイチ数えてなどいない。では聞くが、お前はこれまでに食べたステーキの枚数を覚えているのか? ほらみろ覚えていないじゃないか。わたしか? もちろん覚えているぞ。答えはゼロだ。わたしは肉が苦手なのでステーキなど生まれてこのかた食べたことは一度もない。残念だったな。もう一度言う。答えはゼロだ。あるいはズェロ。ペナルティとしてお前はこれから『どエロ』を肩書につけて生きてゆけ。そして病院で診察を受ける順番が来るたびに「どエロの●●様~」と呼ばれて辱めを受け続けるんだ。それがお前の贖罪だ。全くいやらしいヤツだよぉっ(ドロンジョ様風味)。


 それはともかく。『セカンド・ラブ』は名曲だと思う。中森明菜さんの曲。来生えつこさん作詞、来生たかおさん作曲のやつ。

 

 

 まずタイトルがいい。『セカンド・ラブ』。イイ。あえてのファーストラブじゃないところがシブい。『二度目の恋』とかにしなかったのも奏功。二度目の恋だとハリウッド映画っぺぇ。メグ・ライアンとかが主演してしまう恐れすらある。言っているそばからほら、ニューヨークの街角からメグがひょっこりしているぞ。見るなメグ。こっちを見るんじゃない。


 それはともかく。タイトルにもましてメロディも秀逸だ。音楽のことなどまるっきり分からない。分からないがわたしが秀逸と思うんだから秀逸なんだろうきっと(ビッグ・ダディ風味)。何というのかこういう曲調は。マイナー的な? Eマイナー的なやつだと思っておけばいいですか? よく分からないが、最近はこういう局長の歌が全然ない気がするのはわたしが最近の曲を全然知らないだけですか? あと局長って何ですか? 近藤勇ですか? それとも鴨? 芹沢鴨の方のやつですか? そしたら粛清されちゃいますか? それは分からないが局長=曲調だ。誤変換だ。


 それはともかく。メロディもさることながら何より歌詞が素晴らしい。この曲を名曲たらしめているのは歌詞だ(わたし調べ)。

 健気。歌詞の中の女の子がひたすら健気。なんたってセカンド・ラブだから、何をどうしていいかよく分からない。


♪恋も二度目なら少しは上手に愛のメッセージ伝えたい


 これがファースト・ラブなら、上手に愛のメッセージを伝えられなくてもさもありなんで終わってしまうが、一度は恋愛を経験しているセカンド・ラブであるがゆえにそうはいかない。「一度クリアしているのに。クリアしたことあるのに私ったら、まだここのクリボーにやられてしまうの? まだこの崖から落ちてしまうの?』みたいなやつだ。


♪あなたのセーター 袖口つまんでうつむくだけなんて


 どうする? ねぇどうすんのさ。こんなことされたらたまらない諸兄も多いよね。だがわたし的にはこういう仕草は好みではないので袖口をつままれた刹那手首を極める。間違いない。わたしほどの達人ならそう。わたしの袖口をつまむ=ゴルゴ13の後ろに立つのと同義だから注意されたい。


 それはともかく。そういえば歌詞中の女性はいったい何歳くらいなのか。よくよく考えてみれば、分かっているのはその女性にとってその恋がセカンド・ラブということだけだ。20歳かもしれないし70歳かもしれない。いい。いいよ。何歳だろうと別に構いやしない。「女は灰になるまで」と大岡越前のご母堂もおっしゃって(というか火鉢をかき回して示して)おられる。さらには歌詞中で主人公が女性とは一言も書いていなかったりする。少年かもしれないしオッサンかもしれない。それもまたいい。この曲を聴いた時に何をどうイメージするかは聴いた側が決めればいいことだ。ちなみにわたしの中でのこの曲の主人公は、当時の中森明菜さんのイメージだ。だから今後も女性であることを前提として書いていく。


 それはともかく。わたしにとってこのセカンド・ラブが名曲である所以は、この歌詞に尽きる。


♪舗道に伸びたあなたの影を動かぬように止めたい


 この女性は一体どこまで健気だというのか。

 「動かぬように止めたい」というのは、口に出しての明示ではない。この女性が心の中で思っていることだ。それこそ後の歌詞にも出てくるモノローグ……そう、胸の中での独白だ。口に出さない、いや出せない時点でもういじらしさ極まっているのだから、動かぬように止める手段くらい、せめてもっと大胆で現実的な手段を想像するがいいじゃないか。相手に抱きつくのでもいい。悪質でなければ相手にタックルしてトライをかますのもアリだ。何なら馬に乗り投げ縄で相手を縛り上げてヒーハーと叫んでもいい。いいんだよ、だって全ては心の中での想像なのだから。

 にも関わらずだ。想像であるにも関わらず選んだ手段が「舗道に伸びたあなたの影を動かぬようにとめたい」。ムリ。リームー。相手の影を止めることなどドラちゃんにしか出来まい。想像の中ですら霞を掴むより困難な手段にしてしまう痛ましいほどの彼女の健気さ、いじらしさにわたしは涙を禁じ得ない。


 来生えつこさんだ。この歌詞を書いたのは。失礼だが彼女は恐らく人間ではないだろう。それはそうだ。こんな繊細な歌詞を思いつくなど人間であるはずがない。もやは人外の者としか思えない。良くてリトルグレイ。いやラージノーズグレイか。恐ろしい子


 素晴らしい歌詞に素晴らしい曲に素晴らしいタイトル。そこに中森明菜さんの素晴らしい歌声が加わった結果、わたしにとって『セカンド・ラブ』は名曲中の名曲として死後も黄泉の国に持っていく予定。カセットテープで。120分テープにひらすら繰り返しダビングして。しかもメタルテープ。そして開けにくい薄型ケース。これで完璧。