俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

わたし史上最強の武器『近況報告』を手に入れた

今年も年賀状を出した。

でも本当は年賀状など出したくはない。

『〜したくはない』っていうと、わたしの世代ではT-BOLANの『離したくはない』を思い浮かべる人も多いだろう。

すごく好きだったからよくカラオケで歌っていたけど、齢四十を過ぎるともう歌えない。歌詞がド直球すぎるのと、あの『Every day Every night』の部分がちょっとハズィー。とは言ってもこれが『毎日 毎晩』ではなんだか締まらないし、90年代の歌はみんなこんな感じだったから仕方のないことではある。森友嵐士さんに罪はない。

 

話を戻すと、本当は年賀状など出したくはない。忙しいさなかにあの手間をかける意義がどうしても見いだせない。

それでも「会社の上司連中や一部の同僚には出すべきかな」くらいの社会通念は備わっているので仕方なく出す。

ただ、年賀状に添える一言がどうしても書けない。

「今年も一緒にガンバろう」

「今年こそは飲みに行きましょう」

「いつもご指導ありがとうございます」

ムリだ。わたしはこんなこと露ほども思っていない。どちらかというと一人で黙々とガンバりたい方だし、特に飲みにも行きたくない。指導などしてもらった覚えもないから正直感謝の念もなかったりする。

思ってもいないことを書くのは苦手だ。そんなのを書くくらいならいっそのこと年賀状など出さない方がマシだとさえ思う。

ただ、そうなるとわたしは本当に出さないから、気を利かせた奥さんがわたしの分の年賀状に添え書きをしてくれた。

褒められたことでないのは分かっているけど、でも書けないものは書けない。一枚の年賀状を前に腕組みしたままずっと固まってしまい、結局一文字も書けない。我ながら不器用すぎるとは思う。

 

わたしがこんなに苦しい思いをしているというのに、奥さんは「一言書いておいたからね」と苦もない様子で言ってのけた。何だコイツ。いったいわたしの年賀状に何と書いてくれたのか。

「長女もことし中学生になります」

この手があったか。

そうだよ近況報告でいいんだよ。なぁ志乃。

これなら思ってもいないことを書く必要もない。だってこちらサイドの事実なんだから。

今までのわたしは、相手に関連したり共通する事柄を見つけようと、一生懸命に引き出しを探っていたんだ。見つかるはずはない。初めから何も入っていないのだから。

でも自分に関することならたくさん引き出しに詰まっている。

「長女もことし中学生になります」

いいねぇ。事実だねぇ。ウソがないね。とても気持ちがいいや。

 

これはわたしが苦手とする、あまり親しくない人との会話にも使えるぞ。

今までは「今日はいい天気ですね」とか「お仕事は何をされているんですか?」とか「何か趣味とかあるんですか?」とか、どうでもいいことや別に知りたくないことが言えずに会話に苦労したけど、これからのわたしは一味違うぞ。

なにしろ「近況報告」という最強の武器を手に入れたからな。

ママ友のダンナさんという、全っ然親しくない人と二人っきりにされる地獄のような状況でも。

「長女がことし中学生になるんですよ」

こちらがどれだけ打っても全く響かない、質の悪い鉄で出来た鐘のような義父が相手でも。

「長女がことし中学生になるんですよ」

イケるっ! ぜんっぜん怖くないっ!!

どうしよう。一刻も早くあまり親しくない人と二人っきりになりた過ぎる。

わたしはいま、今年いちばん攻めている。