俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

その男、栗男・B-WINGS。

 栗男・B-WINGS。クリオ・ビーウイングスと読む。中学時代の友達の名だ。ハーフではない。本名でもない。通名というかあだ名だ。

 初めはただの栗男だったが、のちに栗男改め栗男・B-WINGSとなる。そう、リー・リンチェイ改めジェット・リーになったように。そのことについては後述するのでしばらく待たれたい。


 さて。なぜ栗男か。頭部の先端が栗の如く尖っていたからに他ならないが、彼の一風変わったヘアスタイルのためにそう見えるのであって、別に彼の頭蓋形状からして尖っているわけではないことは、あらかじめお断りしておきたい。


 栗男栗男やーい栗男といじめていたわけではない。栗男という名に関しては本人も普通に気に入っていたし、その名を付けたこちらサイドも親愛の意を込めてそう呼んでいた。栗男と我々の仲は至って良好なものだった。うるさい人達に絡まれたくないので予め弁明しておく。


 『栗』といっても我々が食すあのおいしい栗ではなく、彼の頭部形状はどんぐりに限りなく近かったので、実は本名は『団 栗男・B-WINGS(ドン グリオ・ビーウイングス)』だったりする。

 顔は歌舞伎役者の片岡愛之助さんを想像していただきたい。ラブリンの頭部形状がどんぐりになったと考えていただければ間違いはない。


 栗男はケンカが弱かった。というかケンカをしたところを見たことがない。あくまであの時代あの年齢の男子たちだけで通用する『強いやつはエラい理論』に照らし合わせた場合だが、残念ながら栗男はそういう意味では男子から尊敬の念を集めてはいなかった。


 そんな栗男は空手を習い始めた。強くなりたい。皆からの尊敬を集めたい。そんな想いが栗男に行動を起こさせたのだと思う。

 栗男が調子ブッこくまでに、さほど時間は必要なかった。空手を習っているという事実が彼の気を大きくしたのだろう。いつしか栗男は「文句あるなら上段足刀蹴り、入れるよ?」が口癖のビッグマウサーに豹変していた。

 だが股関節が異様に固いらしく「上段足刀蹴りぃー!!」と叫びながら繰り出すそれは、1/144の初代ガンプラガンダムほどの開脚しか出来ていなかった。可動域せまー。


 以上、これまで書き連ねた栗男に関するパーソナルデータは、今回の記事とは全くの無関係だ。今回は、なぜ栗男が栗男・B-WINGSに改まったのかというクッソみたいにどうでもいいことについて語りたい。

 

 わたしが中学生の頃、ファミコンの『B-WINGS』というゲームにハマっていた。始まって1行でネタバレさせるこの潔さを評価して欲しい気持ちはあるが、まだだ。今はいったんスルーして欲しい。

 話を戻す。このB-WINGSは、アーケードゲームファミコンに移植したもので、画面上部から迫りくる敵を自機の戦闘機で倒していくシューティングゲームだった。

 

 

B-ウィング

B-ウィング

 

 


 アーケードゲームとは、ゲームセンターなどに置いてある業務用ゲームのことだ。ファミコンの性能ではアーケードゲームの美麗なグラフィックを再現するにはほど遠かったが、それでも当時のファミコンキッズには十分すぎるほど楽しめた。

 数段劣化した貧弱なグラフィックなど何の障害にもならなかった。なぜならシューティングというゲーム性までもが失われるわけではないからだ。ブルース・ウィリス主演の映画『アルマゲドン』の続編を作りたいが、予算が全然足りないからブルース・ウィリスではなくプチ・ブルースを主演に起用した。多少絵ヅラは落ちるが同じ映画というエンターテイメントだ。差し障りはない。そういうことだ。



 それでいい。大丈夫だ楽しめる。プチでも何でもブルースには違いない。同じブルースでもブルース・リーはだめだ。ブルース・ウィリスの代役は丸ハゲのおっさんと相場が決まっているし問屋もそこは譲らない。逆に言えば丸ハゲのおっさんだったら誰でもいいということだから、これはものすごくフトコロが深い。バイきんぐの小峠さんでも無問題。タイトルだって何なら『アルマゲドン』から『マルハゲどん』にしてもいい。次の朝の連続テレビ小説はぜひ『マルハゲどん』でお願いしたい。

 

 ファミコンゲームB-WINGSの話に戻ろうか。


 ある日、わたしは栗男と一緒に『マル』という友達の家に遊びに行った。その時3人で遊んでいたのがB-WINGSだった。

 わたしたち3人は交代でB-WINGSをプレイしていたが、しばらくして栗男が「トイレを借りたい」と言ってリビングから出て行った。わたしとマルは引き続き2人でB-WINGSに興じていたが、トイレに行ったはずの栗男がなかなか戻ってこない。はじめは大便でもしているんだろうくらいで気にもとめなかったが、あまりに栗男が戻ってこないので、さすがに気になりはじめた。


 「ちょっと見てくる」 マルはリビングから出ていったが、すぐに戻ってきて「栗男、トイレにいなかったぞ」と言った。「帰っちゃったのかな?」とわたし。2人で首をひねっていたその時。リビングのドアが勢いよく開き、般若のような形相になったマルのねーちゃんが入ってきた。そして開口一番、


「マル! アンタ私の財布からおカネ盗ったね!!」

 

 ……疲れた。

 2,000字を超えて長くなったので、このクッソどうでもいい話は次回に続ける。かもしれないし、気が向かなければ続けない。