俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

娘の授業参観で問われた品性とは?

先日、長女(中2)の中学校で授業参観があった。


奥さんと一緒に国語の授業を見させてもらったのだが、先生ゴメンね、まぁつまらなかった。

授業参観が必ずしも面白くある必要はないのだが、みんな黙ってプリントに詩を書いているだけではないか。しかもずっとだ。あれではいかにZUTTO永井真理子さんでも、さすがにCHOTTO愚痴をこぼしてしまうだろう。フフ……。


子どもたちは土曜日に登校して。先生方もわざわざ出勤してくださって。みんな大変。本当に頭が下がる。

だがせっかくの授業参観、やはりこれは地味に過ぎないだろうか。

 

あまりに退屈だったので、教室の後ろの黒板にいたずら書きをした。


1時間目:国語

2時間目:社会

3時間目:理科


元々こう書いてあった黒板に、


4時間目 食事:昨日の生ゴミ

5時間目 排泄:校庭の花壇に

6時間目 就寝:トイレの床で


このようにチョークで書き足した。


あぁくだらないさ。そんなことは自分でも分かっている。ちょっとした遊び心というか、ヒマつぶしだ。もちろん後でちゃんと消す。


いたずら書きが終わったあとも授業風景は一向に変わらない。みんな黙々と机に向かって詩を書いていた。

気の長い奥さんもさすがに嫌気が差したのだろう。別のクラスの様子を観たいと言い出したので、わたし達はいったん廊下に出た。

 

長女は3組なので、まず後ろの1組と2組を観た。

それから長女のいる3組を素通りして、その先の4組に向かっていたその時だ。

わたしは長女のいる3組が何やら騒がしいことに気が付いた。見ると、クラスのみんなが後ろを向き、先生が教室の後ろの黒板の前に立って何やら喋っていた。


血の気がサッと引いた。こんなにサッとするのはクイックルワイパーか、冷蔵庫の残り物でできる簡単な炒め物くらいだろう。

わたしは身を隠すようにその場にしゃがみこみ、そして頭を抱えた。


ヤヴァイ。アレって絶対にわたしの書いたいたずら書きが問題になってるよね。どうしよう消すの忘れてたわはー


きっと先生はいたずら書きをした犯人を捜してんだよね。でも先生。残念ながら誰も名乗り出ることはないよ。なぜなら犯人はそのクラスにいないんだから。


生徒たちがウソをついていると判断した先生は、授業参観にもかかわらず授業を中断するかもしれない。そしてみんなに目をつむらせて、いたずら書きをした犯人に手をあげさせるんだ。


それでも手はあがらないよ。だからそのクラスに犯人はいねえんだよ。だってオレが犯人なんだからよ。


そのうち生徒の一人が証言するね。「さっきまでそこに立っていた黒ずくめのおっさんが何か書いているのを見ました」


それを聞いた長女は全てを理解するはず。「あ、お父さんの仕業だ……」と。


事態を重く見た先生は校長室へ。クラスは強制自習。大問題へ発展した本件に対して緊急保護者会が開かれ、下手人のわたしは今後の授業参観を出禁に。


長女は恥ずかしさのあまり、もう学校には行けないと嘆いて不登校に。


そこまでのストーリーが次々と頭をよぎった。

 

逃げよう。

このまま着の身着のまま列車に飛び乗り、誰も知らない町でひっそりと暮らそう。


そしてどこかのしなびた温泉街の宿で住み込みで働かせてもらおう。


「ワイさんが来てくれてからもっそ助かってーん」とか女将に感謝され、1年後には仕事ぶりを認められて宿の番頭にしてもらおう。


あと女将とねんごろの関係になろう。


そしてそんな静かな生活も3年が過ぎた頃、風の噂でわたしの居場所を聞きつけた奥さんと娘たちに迎えに来てもらおう。


女将に「もう道を踏み外したらあきまへんのどすえー」とか言われて涙のお別れをしよう。


などと現実逃避をするくらいにアセった。

だがダメだ。いたずら書きをしてしまった事実を消すことは出来ない。だが正直であることまで失ってしまったら、わたしはこの先どうやって父としての威厳を示せばいいのか。

なお、娘の教室の黒板にクッソくだらねえいたずら書きをしている時点で父としてのいや大人としての威厳がないことは今ここで論じ合う議題ではないので口を慎むんだヨーシいい子だヒーハー。

 

わたしは意を決して名乗り出ることにした。

わたしが勇気を振り絞って教室に一歩を踏み入れたのと、先生が「こんなんじゃこのクラスの品性が問われますねぇ」と嘆息混じりにつぶやいたのは、ほぼ同時だった。


問われちゃった。今までの人生で初めてかも知んないな、品性を問われたのは。ちなみに品性とは「道徳的基準からみたその人の性質、人格」らしいヨ。


わたしはいたずら書きを消す先生に「あの……」と声を掛けた。それから「それ、書いたのわたしです。どうもすみませんでした」と告白した。


失笑する生徒の皆様。


「あぁ……そう、ですか……」と想定外の出来事にドリアンのオイニーを間近で嗅がされたかのようなミステリアスな顔を見せ、明らかに戸惑いを隠せていない先生。


わたしは長女の顔を見ることができず、そのまま教室を後にした。

 

幸いその後は学校側から苦言を呈されることはなかった。

長女にも「もーうお父さんやめてよー」と言われはしたものの、怒ってる様子はなかった。


とりあえずは事なきを得たとはいえ、場合によっては笑い事では済まなかったのだ。ここは自身の悪ノリを十分に反省すべきだろう。


実はいたずら書きについてはこれが初犯ではない。というか小学校でも中学校でも、授業参観の時には必ずいたずら書きをしている。もちろん書いた後はちゃんと消しているが。


いたずら書きに飽きると、今度は勝手に教室の本棚から『地獄』という本を取って読み漁り、奥さんのママ友に不審がられたりもしている。


残念だがそれも今後は控えねばなるまいね。


とりあえず今週末にまた授業参観がある。

そこでのわたしの振る舞いを見て、長女が最終ジャッジを下すことになった。

最悪の場合、今後わたしは授業参観を出禁になるかもしれない。


出禁は困る。なぜ困るかはまた後日。