俺があいつを見返す日。

俺があいつを見返す日。

わたしがある人を見返すための意思表明として立ち上げたブログです。日々のこと、夫婦のこと、子育て、商品レビューなど、なんでも。

最近のスーパーがスーパー難しい。

スーパー。

スーパーマーケットの事だけど、スーパーと名が付くものはこの世界にたくさんあるのに、それらのスーパーなものよりスーパーマーケットの方がよりスーパーだ。


だって「スーパーに行ってくる」と言われれば、100人中100人が「スーパーマーケットに行くんだな」と理解できるから。


「スーパーを聴いていたんだ」と言われてSuperflyを思い浮かべる人はいない。

「スーパーに変身するよ」と言われて「ハァ?」と思うことはあっても、超サイヤ人に思い至る人はいない。

「スーパーなヒゲオヤジがさぁ」と話し始めればスーパーマリオを思い浮かべる人はいるかも知れないけど、ほとんどの人はスーパーで勤務する一般中年ヒゲオヤジを想像するに留まる事を知らない時の中でいくつもの移りゆく街並みを眺めているに過ぎないだろう。


数多の名だたるスーパーなものを超えて、スーパーマーケットがスーパーの代名詞になっているなんて。

スーパってすごいな。さすがースーパー。

 

そんなスーパーなスーパーに、日曜日に一人で行った。

長女(13)がふすまパンを作るのに必要だと言うから、無塩バターを買いに。


つーかもう焼かなくていいんだけどね。ふすまパンなんて大して美味しくなかったんだけどな。



どうして凝りもせずにまた焼こうとするんだ。わたしの娘に妖怪ふすまパンはいないハズなんだけど。


ふすまパンってあれフでしょフ。お麩。お吸い物の上とかに浮いてるまるいやつ。甘く味付けしてお菓子と言い張って駄菓子屋のババアが売りつけるスッカスカのアレ。


ぜんぜん違った。ふすま=ブランだった。

それならそうと初めから言って欲しかった。ブランって、オールブランとかのソレだよね。パンとかシリアルの。


急にふすまがオシャンティーなものに思えてきた。

香川と言えばうどん県だけど、フレグランスリバーって言うと急にハイセンスなうどん県になるでしょ。それと一緒。一緒か? 結局はうどん県じゃないか。もう分かんねえ。要するに言葉のチカラってすごい。


それよか麸(ふ)って何だ。ふすまがどうとかより、そもそも麸こそが何者なんだ。


”小麦粉に食塩水を加えてよく練って生地を作り、粘りが出たところで生地を布製の袋に入れて水中で揉む。デンプンが流出した後に残ったグルテンを蒸して生麩(もち麩)が作られる”

ウィキペディアより


麩も小麦粉じゃないかよ結局。

しかもふすまって調べると麩という漢字が出てくるんだぞ。これはどういう事だ。ふすまってやっぱり麩の事なのか?


まぁいいや。もうよく分からないから、ふすま=麸と結論づけてしまおう。

帰ったらさっそく長女に教えてあげるんだ。キミが富澤商店で身銭を切って買ったふすま粉で作ったパンは、実は麸かもしれないと。

 

『古賀オール』って何ですか?

いや、オールブランのオールで連想しちゃったから仕方ないんだ。

子どもの頃にテレビのCMでよく目にした気がするんだけど、一体何を生業としていらっしゃる会社なのか。


わたしの予想では名前のまんまで、ボートとかを漕ぐオールを作っている会社。しかも何気に世界シェア8割という、知る人ぞ知る的なすごい会社だと思う。


イメージする社長像は全日本テコンドー協会の生けるウォーズマンこと金原昇元会長。


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ウォーズマン


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★会長


ぜんぜん違った。オールなんて一本も作ってる気配がなかった。鉄鋼商社だ古賀オールさんは。

社長も全然ウォーズマンじゃなかった。カドの取れたテリーマンだった。テリーマン糖衣。


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まだ本題に入っていないけど、でもこうやって知識が広がってゆく事はギザうれしす。

でもそろそろギザ本題に戻しす。


スーパーに行ったわたしが無塩バターを持ってレジに並ぶと、レジに緑色のカードがぶら下がっていた。

それ知ってるよ。レジ袋がいらない人はそのカードをカゴに入れちゃってくれヨロシクゥ! みたいなやつでしょ。


わたしが手にしていたのは無塩バター1個で、当然にレジ袋なんて必要なかった。だからそのカードを使う気まんまんだったんだ。


でも問題が発生した。わたしはカゴなんて手にしていなかった。

だって無塩バター1個しか買わないんだ。カゴを持つ方が非効率じゃないか。


どうしよう。カゴを持っていないわたしは、このカードをどう処理すればいいんだ。


わたしはプチパニックになっていた。

普段は家計を司る奥さんにレジを任せっきりだから、わたしはこの時になって初めて、自分が最近のレジの方法を知らないことに気がついた。


よもやパニック障害を患うわたしがプチパニックになるとはな。フフフ……。

フフフじゃねえ。これは笑い事じゃないぞ。


わたしの前でおばあさんがレジをしてもらっている。幸いにしてまだ時間はある。

考えるんだ。炭治郎も何巻かで言っていたぞ。思考することをやめるなと。何とかこの難局を乗り切る妙案を考えるんだ。


わたしは取り敢えず、手に持っていた無塩バターをカウンターに置いてみた。

そしてその上に緑色のカードをそっと、本当にそっと載せてみた。


何てか弱いんだ……。

わたしは未だかつて、これほどまでにか弱い無塩バターを見たことがない。

いつの間に一筋の涙がわたしの頬を流れていた。


その姿はまるで、真冬の公園のすべり台の下で満足な防寒具もなく、新聞紙にくるまって凍えていたあの時のわたしのようだった。

あの時のわたしがどの時のわたしか知らないし、アントキの猪木がドノトキの時の猪木かも知らないが、とにかくわたしは真冬の公園で新聞紙にくるまった覚えは一切ございませぬ。

 

もうすぐ前のおばあさんのレジが終わり、わたしの番になる。

無塩バターの上にレジ袋不要のカードを載せたこの状態で、果たして無事にレジが通過できるのか。神よ。


「アンタの声は全く聞こえないねぇ」


突然おばあさんが喋りだした。

どうやらレジのお姉さんの声が小さい事に苦言を呈しているようだった。


「アンタそのマスク取ったらぁ?」

「マスクで全然聞こえやしないのよねぇ」

「取ったら? ねえマスク取りなさいよぉ」


うるさいな。会計終わってるんだったら早くどいてよ。こっちは無塩バターの行く末に気が気じゃないんだからさ。

確かにこのご時世だから店員さんはマスクをしているけどね。店員さんの声の大きさを指摘する前に、ご自身の耳の性能は疑ってみたの? こう言っちゃアレだけど、アナタ70歳は軽く超えてらっしゃいますよね。店員さんの声の大きさだけの問題じゃないかもしれないでしょう?


無駄に待たされているのと、おばあさんの言い方が異様にネチネチしていたのとで、わたしもイラッとしてしまった。

だからいけないとは思いながらも、つい少し大きめの声で「それ自分の耳の問題じゃないのかな」と言ってしまった。


店員さんはわたしを見たけど、おばあさんはこっちを向かなかった。どうやらわたしの声はおばあさんの耳には届かなかったようだ。おばあさん。やっぱりあなたの耳の問題もありそうだ。


ブツブツと文句を言いながらレジを後にしたおばあさんに続き、いよいよわたしの番が来た。


店員さん「……」


マスク取れこの野郎。

聞こえねえぞもっと声を張れ。マスク一枚の隔たりで聞こえなくなる声など、もはや声では断じてない。

しかも苦労して聞き取った言葉が「レジ袋はご入用ですか?」とはどういうつもりだ?

いらねえよ。カード載せてあるだろ無塩バターの上に。なのに何でわざわざ聞くんだ。何の意味があるんだこのカードには。


店員さん「……」


だからマスクを取れこの野郎。

何言ってるのか聞こえないんだよ。

こっちは会計を待ってるんだよ。財布を開いてずっと待ってんの。家ではこの無塩バターを心待ちにしている妖怪ふすまパンがいるの。早くしてくれ。


「4番の精算機でお願いします」


あーそういうことですか。

このスーパーではバーコードスキャンまでは店員さんが行い、精算は隣接された精算機で客が行う『セミルフレジ』というシステムを採用していたらしい。

会計のために財布を開けてボーッと待っていた自分が恥ずかしい。


最近のスーパーはスーパー難しい。

もう二度と一人でスーパーに行く事はないだろう。


そしてさっきのおばあさん。あなたの耳は正常でしたゴメンなさい。


あと店員さん。ノドの調子が悪くて声が出なかったのなら、それはゴメンな。